神経性難聴について
【質問】突然申し訳ありませんがどうしてもお聞きしたいことがあります。神経性難聴とはどのような病気なんでしょうか。また治療法はあるのでしょうか。実は主人が耳の中でボーンとするような音がするというので耳鼻科で診てもらったところ神経性難聴といわれたんです。とても心配です。お時間がございましたら是非お返事下さい。よろしくお願いします。
【回答】神経性難聴についてお話するには、聞こえの仕組みからお話しなければなりません。
音は空気振動として、空気中を伝わって来ます。空気中でないこともありますが。その振動、空気振動を受けるのが鼓膜です。鼓膜は外に向かって開いているパラボラみたいなもので、これで音のエネルギーを集中的に受けて、内耳の方に音が伝わって行きます。鼓膜に穴が開いていたり、鼓膜が無かったりすると、集音機能が低下しますので、その分聞こえが悪くなります。これを伝音難聴と言います。
鼓膜に穴が無い場合には、(有る場合にも、その分音圧が小さくなりますが、)音のエネルギーが耳小骨連鎖を通って内耳に伝わって行きます。こうして伝わってきた音のエネルギーは、内リンパの振動に変換されて、内リンパの中を進んで行きます。この振動が内耳にある感覚細胞(内・外有毛細胞)を刺激するので、感覚細胞から電気信号が発生して、神経細胞の中を通って、頭の中(脳)に伝えられ、解析されて、音として感知される訳です。
この感知する能力が落ちると聞こえが悪くなります。これを感音難聴と言います。この感音難聴は、内耳に問題がある内耳性難聴と内耳より上の神経に問題がある神経性難聴に分けることが出来ますが、この両方をひっくるめて神経性難聴ということもあります。
ご主人の場合が、どちらに属するのかは、私には分かりません。診察していただいた耳鼻科の先生によくお聞き下さい。一般的に言って神経の病気は、起こってから時間がたつと治癒する可能性が低くなります。治らない場合も多いと思います。
何と言っても今掛かっている先生が、ご主人の状態を一番よく知って居られる筈ですので、何でも遠慮無く率直にご相談になることです。